作品 01 · 完結
プロジェクトを見る →
Edge of Stability
見渡す限りに広がる白の世界。この場所では、飛行機の離着陸さえも不確かさへと溶け込んでいく。空と大地の境界は失われ、すべてが白の一面に呑み込まれていく。
だが、私が本当に圧倒されたのは、空から見た南極大陸の姿だった。地上で体験し理解したつもりでいたスケールや質量が、この広大な大陸のごく一部に触れただけに過ぎなかったことを突きつけられた。眼下に広がっていたのは、何百万年もの時間によって形作られながら、なお動き、呼吸し、生きている風景だった。
風は氷と大地を削り、光は刻々と景色を変えていく。名もなき山の連なりは、生成と崩壊のあいだに宙づりにされた身振りとして立ち現れる。大陸の最高峰に触れようとしたその瞬間、凍てつく風の奔流が雲を呼び、山々は再び白さの中へ消えた。
永遠に見えるものは、実は繊細なバランスの上に成り立っている。水面に静かに煌めく散らばる流氷は、美と無常をともに物語っている。